墓じまいの際のトラブルになりがちな「離檀料」って？？

最近、需要が高まってきている「墓じまい」。

後継ぎがいなくなる、お墓参りをあまりしなくなってきた、実家の近くから、現在の住まいの近くにお骨を移したい、といったご相談は、実際のところ墓石コネクトにもよく寄せられています。

公営霊園や民営霊園、昔からある共同墓地や私有地などでは、比較的スムーズに事が進められるのですが、中でもトラブルが起こりがちなのが「寺院墓地」です。

「離檀料」に法的な根拠はない

現在のお墓がお寺の境内でお寺の管轄内にある場合、このお墓を撤去するということは、お寺から離れる、つまり離檀するということでお寺から「離檀料」を求められることが多いようです。
その際、100万円や200万円以上などの法外な金額を請求され、墓じまいを進められなくなるケースがあります。

高額な金額を突然請求されてしまうと、利用者側としては負担が大きい上に気分の良くないものです。
しかし、お寺側の心情としては、檀家がなくなるということは、その分お寺を支えてくれる人がいなくなるということで経営状況に直結する問題です。
こういった事情も、高額な離檀料を請求する理由の一つになっているようです。

「法的に根拠はあるのか？」と疑問がわく方もいるかと思います。
結論から言うと、ありません。

お墓の建立時に、「お墓の使用をやめるときには離檀料を○○円払います」といった合意の元で契約をしていれば、原則的には支払う必要が出てきますが、おそらくそのような条件のもとで契約をすることはほとんどないでしょう。

離檀料とはそもそも、お墓の引っ越しなどで檀家をやめる際、それまでお世話になったお寺へのお礼として「お布施」を包んでいた習慣が、呼び方を変えたものです。
本来は、利用者側が自発的に、今までのお礼の気持ちで渡すものなのです。

元々はあくまでも「お布施」なので金額に決まりはありませんが、一回のお布施を目安として3～15万、多くても20万円ほどが相場です。

お寺での墓じまいは、住職さんへの「相談」から始めましょう

菩提寺と話がこじれてしまい、高額な離檀料請求へ発展してしまう一因としては、お寺の住職への相談なしに、改葬手続きを勝手に進めてしまったケースが多いようです。

改葬をするには、「改葬許可証」が必要で、その発行には改葬先の管理者の捺印か書面と、現在のお墓の管理者の捺印か書面が必要になります。

お寺に現在お墓がある場合は、このときに住職さんとの関わりが必須になります。
この事務手続きの段階で、初めて改葬の事実を知った住職さんに不義理な印象を与えてしまうことで、トラブルに発展してしまうようです。

そうならないためには、まずは決定事項としてではなく、「相談」という形で話をもちかけてみることをおすすめします。

利用者側や、親から受け継いだ檀家がお墓参りに行けない時でも、お寺の住職さんはずっと手入れや供養などを行い、先祖代々のお墓を守ってきてくれたのです。
そのことに対して感謝の気持ちをもって、事務的な手続きとしてだけではなく真摯な態度で住職さんと接すれば、こういったトラブルは避けやすくなります。

それでも高額な離檀料を請求されてしまったという場合は、行政書士や弁護士など、専門機関への相談をおすすめします。

公営霊園や民営霊園、昔ながらの墓地などお寺以外では離檀料はなし

お寺以外の墓地では、基本的に必要なのは手続きのみです。

お墓の撤去費用以外では、魂抜きなど法要をお願いする住職さんへのお布施（3万円～5万円ほど）が一般的に必要です。（法要は、寺院墓地の場合でも通常行います。）

ただし、民営霊園の場合は指定の石材店に頼むことになるので、一般的な相場より高くつくことが多いようです。

まとめ

お寺の墓じまい、及び改葬はトラブルの可能性が高いですが、真摯に向き合えば、理解してくれる住職さんは少なくないはずです。

また、親から引き継いで間もない場合などは特に実感はないかもしれませんが、今までお墓を見てきてくれたことに対する、感謝の気持ちをもって接することも大切です。

それでもトラブルになってしまった場合は、行政書士や弁護士など専門家に相談して進めていきましょう。

墓石コネクトでも、無料相談を承っています。
墓じまいのできる石材店のご案内も行っておりますので、お気軽にご連絡ください。