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仏壇の起源は1300年前の天武天皇の勅令までさかのぼるようです。
この時は、上級の役人や貴族などが命令により仏壇の原型のようなものに祀られるに過ぎませんでしたが、鎌倉時代になると蓮如上人の活動により一般民衆に至るまで仏壇を持つ人々が増えました。
そんな仏壇ですが宗派によりご本尊や脇仏にちょっとした違いがみられます。
今回の記事では、「3分でわかる宗派と仏壇」というコンセプトで宗派による仏壇の違いや家にある仏壇の宗派の見分け方についてお伝えします!
浄土真宗の仏壇は、全体が金色の金仏壇でご本尊に阿弥陀如来が祀られており、向かって右側に開祖である親鸞の影像または「帰命尽十方無碍光如来」の十文字が刻まれます。
本尊向かって左側には、浄土真宗拡大のきっかけとなった第8代宗主蓮如の影像または「南無不可思議光如来」の九文字が刻まれます。
浄土真宗は本願寺派と東本願寺派に分かれ、両派の違いは仏壇の柱の違いにあらわれます。
浄土真宗本願寺派は仏壇内部の柱が黒く塗られていますが、東本願寺派は金一色で塗られているのでぜひ確かめてみてください。
浄土宗の仏壇は桜などを使用した木目の美しい唐木仏壇です。
阿弥陀如来を本尊に祀り、向かって右側に高祖善導大師の像が飾られています。
本尊向かって左側には、法然上人の仏像が飾られます。
浄土宗の仏壇の特徴は、本尊の真下である最上段にご位牌を安置している点です。
天台宗でもご位牌は仏壇に置かれることが多いですが、ご位牌を浄土宗よりも下のほうに安置します。
天台宗の仏壇は主に唐木仏壇でご本尊に釈迦牟尼如来をお祀りしています。
本尊向かって右側には中国のお釈迦様といわれる天台宗の開祖、天台大師の影像が置かれ、本尊向かって左側には伝教大師である最澄の影像が飾られています。
真言宗のご本尊は大日如来です。ご本尊の右には開祖である空海(弘法大師)の像が置かれ、左手には不動明王の像もしくは曼荼羅が置かれます。
一見ほかの仏像さんと同じ風に見えてしまう大日如来ですが、手の先を見ると大日如来は左の人差し指を右手で握った「智拳印」と呼ばれるポーズをしています。
日蓮宗の本尊は大曼荼羅ですが、右側と左側に置くものは関東と関西で異なります。
右側に置くものは関東では大黒点が主流となり、関西では鬼子母神となります。
左側に置くものは関東では鬼子母神が主流となり、関西では大黒点となります。
日蓮宗の特徴はご本尊である大曼荼羅の掛け軸の前に、開祖である日蓮聖人の木像が置かれるところです。
曹洞宗は釈迦牟尼仏が本尊となり、右側が宗派の開祖である道元禅師の掛け軸が飾られ左側には第4代の曹洞宗蛍山宗の開祖である蛍山禅師の掛け軸がおかれます。
曹洞宗では仏心があれば特にご本尊とする仏様に規定はないので釈迦牟尼仏だけでなく阿弥陀如来や観音菩薩が飾られることもあります。
臨済宗も曹洞宗と同じように釈迦牟尼仏をお祀りしています。
臨済宗では本尊向かって右側に中国禅宗の開祖であるインド人仏教僧「達磨大師」の掛け軸が飾られます。
この達磨大師の肖像が描かれた掛け軸が臨済宗最大の特徴といえるでしょう。
本尊向かって左側には観世音菩薩の仏像か花園法王の肖像画が描かれた掛け軸が飾られます。
時宗のご本尊は阿弥陀如来ですが、舟形の光背が付いた仏像を飾ることが多くなっています。
本尊に向かって右側には時宗の開祖である一遍上人の掛け軸をお飾りし、左側には一遍亡き後バラバラになって消滅しかけた時宗を再興させた立役者である真教上人の掛け軸が置かれることになります。
いかがでしたか?ここでご紹介したのはあくまで一般的なケースであり、本尊や脇仏のお祀りの仕方は宗派や地域によって変わってしまうため、全ての仏壇がこの例に従うとは限りません。
心配である場合は、法事などの行事の際に菩提寺のお坊さんに詳しく伺ってみるのが良いでしょう。
今回の記事が「仏壇と宗派の見分け方」についての知識を深めるのに役立つことができれば幸いです。
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