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お墓は相続税の対象になるの?詳しく解説します

普段はあまり気にしていなくても、身内や親族がなくなった時に急に気になってくる「相続税」。
相続税について学ぶ機会があまりないために「何が対象になるんだろう」「いくら払えばよいんだろう」と悩んでしまいがちですよね。
そんな訳で今回の記事では「3分でわかるお墓と相続税」というコンセプトで
「墓地や墓石に相続税はかかるのか」といったことや「お墓を用いた相続税の賢い節税法」についてお伝えします!

お墓は相続税の非課税対象

そもそも相続税は、人が亡くなった時に遺していった財産を相続する際に発生する税金です。
ただし、相続税は「3000万円+600万円×法定相続人の人数」分の金額だけ課税を控除されます。
そのため一般家庭での相続は殆どが相続税控除の金額の範囲内に収まり、実際に相続税を納めることになる人は全体で6パーセント程度といわれています。

そんな相続税ですが、実はお墓や墓石、仏壇などは相続しても相続税が一切かかりません。
これは相続税法第12条で祭祀財産は非課税財産であると定められているからです。
祭祀財産とは、祖先の祭祀(供養や弔い)を行う人が単独で相続する墓地や墓石、仏壇、仏具、神様をお祀りする道具などの有形財産のことです。
なぜ祭祀財産が非課税になっているかというと、日本人特有の祖先崇拝の伝統があるためといわれています。
法律の制定時に「祖先を大切にし、敬い、丁重に供養することに対して税金をかけるのは無慈悲な話だ」という国民の感情論に政府が配慮した結果なのです。

墓地の生前購入で数十万円の節約に

死後に新しく墓地を建てる場合はどうでしょうか。実はこれだと墓石やお墓を非課税にしてもらうことができません。
なぜなら親が亡くなった後、子供が購入した墓地や墓石は子供の財産とみなされ相続財産とすることができなくなるからです。
日本では多くの場合、親が亡くなられると、その遺族の子供たちが親の遺した財産で墓地・墓石を購入します。
しかし、これでは親が現金の形で持っていたお金を遺族の子供たちが一度相続する必要があるため、その際に相続税がかかってしまいます。
たとえ相続した現金が、お墓用の資金や墓石用の資金として親が子供たちに残しておいたお金であったとしても税法上の分類はただの「現金」となり一切控除は受けられません。
そのうえ、相続税を支払った後に墓地や墓石を購入しなければならず、二重の支払いが生じてしまいます。

こういった無駄な支出をなくすための賢い手段が生前建墓といわれるものです。
生前建墓は「寿陵」とも呼ばれ、生きているうちに自分で自分のお墓を建ててしまうことを意味します。
生前に「お墓の区画用資金」や「墓石の建立用資金」などとして財産を現金の形でとっておくことをせず、お墓を購入し、財産をお墓の形でとっておくのです。
こうすることで、お墓や墓石に形を変えた親の財産は非課税財産として子供に相続され、無用な相続税の支払いを防げます。
生前にお墓を建ててしまうのはなんだか死を待つようで縁起が悪いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
寿陵は、昔から長寿や子孫繁栄につながる非常に縁起の良い行いとされてきましたし、何より寿陵を行うことで墓地建設費用×相続税率である
数十万円~数百万円節約できるので、遺族にとっても故人にとっても非常にメリットのある行動なのです。

ローンを組んだら節税にはならない

本人が好きなお墓を選んで建てることができたり、相続税対策に使えたりするといった理由からここ最近生前建墓を行う方が増えてきています。
しかし、生前建墓を急ぎすぎるあまり、ローンを組んでお墓や墓石を購入するのはオススメしません。
なぜなら、ローンは、未返済部分については相続財産とみなされ相続税を課税されてしまいます。
たとえお墓や墓石を作るために借りたローンでも非課税財産としての控除は受けることができないのです。
そのため、お墓や墓石を節税対策のために購入する場合は「現金で一括購入」することが大切です。

墓石・仏壇を生前購入する際の注意点

節税熱心な方だと仏壇や仏具、お墓の付属品なども祭祀財産に入り非課税財産になると聞いてこれらを生前に一式すべて購入する方がいらっしゃいます。
仏壇や仏具、お墓の付属品もしっかりそろえるには、それなりのお値段がかかってしまいますから大きな節税対策になることは間違いないので正しい選択です。
しかし、近年では節税対策のために純金の仏像を購入したり、純銀製の仏壇などを作ったりする方も現れました。
こういった「社会通念上著しく高額なもの」については投資の対象とみなされ課税されかねません。
税務署は常にお金の出入りを厳正にチェックしているため、露骨な相続税対策はかえってマークされてしまい逆効果なようです。
仏壇や仏具、お墓の付属品は常識の範囲内で購入するようにしましょう。

生前建墓はしっかりとした話し合いを

いかがでしたか?生前建墓は税金対策になることや、自分の好きなお墓を選べることに加えて 生きているうちに家族とお墓について話し合えることもメリットの一つです。
しかし、相続税についての話や生前建墓についての話は子供や孫からはあまり口にしにくいのが現状なのではないでしょうか。
もし機会があれば家族会議を開き、お墓や相続のことも含め自分の思い描いている終活プランを話してみてください。
きっと相続税や生前建墓、費用負担などについてもじっくり話し合うきっかけになると思います。

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