お墓のリフォームとは？リフォームで費用を抑えよう

家を購入して一定期間したらリフォームするのと同じようにお墓も購入して一定期間したらリフォームする必要があります。
お墓は建てた時こそピカピカできれいな輝きを放っていますが、常に風雨や紫外線などに さらされていることで、墓石が劣化しやすくなり、細かなヒビや割れ目などが入ってしまうものです。
傷んだ墓石をそのまま放置していると、最悪の場合お墓が倒壊したり、カビだらけになってしまいます。
お墓の倒壊による参拝者への危険を考えると、定期的なリフォームは必須といえるでしょう。

お墓のリフォーム目安は10～20年に1回、といわれています。ただし、大地震などの自然災害が起きた場合は早急な点検が必要です。
「別にヒビも入っていないし、色合いも気にならないからいいや」とリフォームを後回しにしてしまう方も多いですが、
プロの石材店の方が見ると明らかな亀裂が入っていたり、お墓自体が傾いていたりして即修理が必要だったりという例がよくあります。
自分で判断せずに、石材店の方やリフォーム業者を呼んで点検してもらうようにしましょう。

強調しておきたいのはリフォームは長期的に見て非常に安上がりだということです。
お墓は何も手入れをせずに放置しておくと、建ててから２～３年で劣化が始まり、50～60年たつ頃には建て替えしなければならない状態になってしまいます。
建て替え費用は200～300万円と言われ、一般家庭にはかなりの覚悟がいる出費になってしまいます。
このような不必要な出費を避け、お墓を末永く安全に保つことができるのが「お墓リフォーム」なのです。
お墓のリフォームにかかる費用は1回あたり３万円～２０万円といわれ、この額でほぼ新品に近い状態に戻すことができます。
10年に1回リフォームを行っても50年で最高100万円程度ですから、いかにリフォームが節約になるかを実感いただけると思います。

お墓のリフォームには「墓石クリーニング」や「墓石接着補修」など様々な種類があります。
自分では何が必要かわからない場合は、石材店に自分のお墓を見てもらい、どんなリフォームが必要になるか聞いてみましょう。

具体的なリフォームの流れとしては以下の5ステップで行われることになります。

①石材店に依頼

お墓を建ててもらった石材店に依頼するのが最も手軽な方法です。ただし、お墓のリフォームについては相場がわからない客が多いのをいいことにびっくりするぐらい高額な見積もりを出してくる業者もいるので、見積もりは複数の業者に依頼するとよいでしょう。

②お墓の状態をチェックしてもらい見積もりの提出

お墓の状態を実際に見てもらったうえで見積もりを作成します。
依頼時に気になっていたところはもちろん、気にも留めなかったところも専門的見地から指摘してもらえるので、今後の工事計画を立てやすくなります。

③費用、内容について打ち合わせの上契約

費用とリフォーム工事内容に納得したら契約しましょう。
ここでリフォーム工事を行ってもらう業者を一社に絞ります。
もし、金銭的な負担が大きい場合は工程を削ってもらうこともできます。

④閉眼供養とリフォーム工事

リフォーム工事を始める前には「閉眼供養」というお墓の魂抜きを行います。
墓石には故人の魂が宿っているとされるため、削ったり塗装を施したりするには事前に魂を抜いておく必要があるからです。
ただし、これは費用が10～20万円かかってしまうため、あまり気にしない方は閉眼供養を施さなくても大丈夫です。

⑤完成と出来栄えの確認

リフォーム期間は3週間から1か月半程度を見ておくと十分でしょう。
全工程が終わったら出来栄えの確認と、費用の支払いが行われます。
納得できない点があったらこの時にしっかり注文を付けておきましょう。

お墓のリフォーム費用はどれくらいになるのでしょうか。
この章ではお墓リフォームで行われる代表的な工事とその内容、費用をご紹介していきます。

①墓石のリフォーム

古くなった墓石を撤去し、新しい墓石に交換します。
リフォームというよりお墓の建て替えに近い大規模な作業になってしまいます。墓石代と撤去費用合わせて30万円程度が必要になります。

②墓石の磨きなおし

お墓の墓石を削ることで新品同様の光沢を取り戻す工事です。クリーニングでは5千円前後、墓石の研磨は20万円弱の費用が掛かります。

③ペンキの塗り替え

墓石に刻まれている戒名や没年月日は年月が経つと、ペンキが落ちて見栄えが悪くなってしまいます。ペンキを塗りなおすことで、新品同様の厳かな雰囲気を取り戻すことができます。
費用は使うペンキの種類や文字量によって1万円から3万円まで幅があります。

④墓石の組みなおし

地盤沈下や大地震、台風などの強風で墓石が傾いたりずれたりしてしまうことがあります。こういった場合は、墓石の組みなおしを行い、元通りのバランスを取り戻します。
費用は墓石のパーツ数や使っている石の種類、お墓の立地により15～30万円と幅が出てしまいます。

⑤接着剤補修

お墓には墓石のパーツとパーツの間を強力に接着するために特殊な接着剤が塗られています。
しかし、こういった接着剤は時間とともに劣化し効果が弱くなってしまうので、一定期間ごとに接着剤を塗りなおしましょう。費用は4万円程度で頼むことができます。

いかがでしたか？リフォームには公的な証明書や多額の資金は必要ないためお墓を建立するよりも手軽に済ませることができます。
日々のお手入れに加えて定期的なリフォームを行うことで、いつまでも色あせることのない素敵なお墓を維持していきませんか？
今回の記事がお墓のリフォームについて検討するきっかけになることができれば幸いです。