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お墓参りに行ったときに、お墓の横に立っている法名碑を見たことはありませんか?
法名碑とは、故人の名前や戒名、生没年月日を彫刻した「墓誌」や「霊標」とも呼ばれる石板のことです。
それにしても、どうしてお墓の横に墓誌を建てて名前や戒名を刻むのでしょうか?
今回の記事では、そんな疑問に答えるべく「3分でわかる墓誌彫刻のすべて」というコンセプトで、墓誌彫刻とは何かといったことから、墓誌彫刻の意味、墓誌を建てるタイミングや文字入れの相場についてお伝えしていきます!
墓誌とは墓石の横に立てる板状、円柱状の石碑のことを言います。
地域や宗派によって「墓標」「霊標」「法名碑」などと呼び方は変わりますが、基本的にすべて墓誌のことを指します。
墓誌には、そのお墓に入っている人の氏名に加え戒名、没年月日、年齢、略歴などを彫刻します。
ただし、霊標に刻む事柄に特別なルールはないので最近ではSNSのハンドルネームや好きな曲の歌詞、家紋などを刻んだ墓誌など、今までの墓標の形に捕らわれない新しい墓誌を建てる方も増えてきました。
墓誌彫刻には大事な役割があります。それはお墓に埋葬された人が誰なのかを子孫たちに伝えていくというものです。
というのも、明治時代までは一人一つのお墓があるのが基本で「〇〇家之墓」といった先祖代々の墓は存在しませんでした。
しかし、明治政府によって家制度が作られると、家族や夫婦で一緒に入る家族墓や夫婦墓が登場してきました。
このころの家族墓や夫婦墓は墓石の棹石に家族全員の名を刻んだり、夫婦の名を刻んだりするスタイルが多かったようです。
しかし昭和の終わりにはいると人口増加による墓地不足で、墓地価格が急激に上昇したため一つの墓地区画に何世代にもわたって遺骨を埋葬する人たちが増えました。
埋葬人数が多くなってしまうと棹石には名前が収まりきらないため、墓誌を用意し、埋葬されている人たちの名前や戒名を書き並べて彫刻していくことにしたのです。
墓誌は無理に立てる必要はありません。墓誌は通常8~12名分の名前を掘ることができますが、今では1家族につき1つのお墓を持つことが定着してきたので全員分の名前を棹石に刻めないこともありませんし、埋葬されている人の名前はお寺の過去帳などを見ることで確認することができます。
ただし、棹石に故人の名前を彫刻する際の閉眼供養の手間を省きたい方や10名以上の大人数の名前を彫刻しなければならない場合は墓誌を建てることをオススメします。
墓誌を建てるための費用相場は10万円~20万円といわれています。墓誌に使う石の種類は特に制約がないため、どんな種類の石を用いてもOKです。
墓誌に用いられる代表的な石は黒やグレーの御影石ですが、国産のものだと価格帯が高くなってしまうので気を付けましょう。
石材の購入費用に加えて墓誌彫刻にもお金がかかってきてしまいます。
文字入れは、まず墓誌をいったん石材店まで運搬したうえで彫刻する内容と文字についての原稿を作成し、ゴムで下書きを作ったうえで彫刻作業を行っていきます。
一般的には故人の名前と戒名、没年月日を彫刻する作業全体で1名あたり3~5万円のお金がかかります。
墓誌を建てて彫刻を行う際は墓石と一緒に頼んだほうが安くなるので、お墓をこれから建てようとする方はぜひ検討してみてください。
墓誌に文字入れするタイミングは、納骨式までに終えておくことがベストです。
とはいうものの、先ほど紹介した文字入れの工程には通常期で2~3週間、お盆などの繁忙期だと3~4週間かかってしまうため、お葬式が終わってすぐに申し込まないと納骨式の日には間に合いません。
しかし、お葬式前後はどうしても準備や弔問で忙しくなってしまいがちなのでゆっくり迷うことは許されません。
そのため、ここ数年間で生きている間に墓誌に文字入れを行ってしまう方が増えてきました。
生きている間の文字入れだと、本人の希望に沿った石材や字体・色を用いることができるので非常にオススメです。
ただし、文字入れをする人が生きている間は赤色で文字入れされることになるので注意しましょう。
いかがでしたか?墓誌の建立・彫刻にはそれなりの費用が掛かってしまいますが、ひ孫や玄孫が墓参りに訪れたときに、墓誌に刻まれた名前を見て自分の家のルーツを知るきっかけになります。
自分の業績や生きた証を後世に伝えていきたい人は、ぜひ墓誌を建立してみてください。
今回の記事が「墓誌彫刻の意味や価格」についての知識を深めるのに役立つことができていれば幸いです。
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