お墓の灯篭の意味とは？価格相場ってどのくらい

古いお墓や歴史的な有名人のお墓に灯篭が立っているのを見たことはありませんか？
お墓の前に置く「墓前灯篭」は、昔から墓に眠る故人を供養したりや参拝する方をお墓まで導いたりするために使われてきました。
この記事をご覧になっている方の中にも「自分の墓には灯篭を設置してみようかな」なんて考えていらっしゃる方も多いでしょう。
そんなわけで今回の記事では、墓に灯篭を置く意味とは何かといったことから、墓石灯篭の種類や価格まで、3分でわかる「お墓と灯篭の関係」についてお伝えしていきます！

お墓に灯篭を建てる意味

「灯篭」は古くは街灯の役割を果たし、暗闇を照らす屋外用の照明器具として用いられてきました。
灯篭には様々な種類がありますが、墓前に建てる灯篭のことを特別に「墓前灯篭」といいます。
墓前灯篭は、もともと五供の一つとしてお墓にともされたのが始まりでした。
五供とは、お参りする際にお供えするものの基本といわれ「香」「花」「水」「飲食（おんじき）」「灯燭」の5つとされています。
それぞれ「香」は香りによって心身を清め、死者の魂を悟りに導くためお線香、「花」は仏様への感謝と修行の誓いを表すための仏花、「水」は仏様の目の前で心を清めるためのお水、「飲食」は私たちの殺生によって生かされていることを再確認するための仏飯、「灯燭」は亡くなった故人を供養するための火という意味があり、この「灯燭」の役割をなすのが灯篭です。
火には古来より、邪気を払い死者の魂を神仏のもとへと導く神聖な力があると信じられており、お墓の前に、神聖な火をともし、死者の魂を供養するようになったのが墓前灯篭を設置するきっかけになったと考えられています。
現在では、もっぱらお墓にお参りに来る親族の目印になっていたり、お墓の景観をよくするために使われている墓前灯篭ですがその由来はとっても神聖なものだったんですね。

灯篭の種類と価格相場

灯篭は「春日灯篭」と「置灯篭」と「雪見灯篭」と「墓前灯篭」の4種類が存在します。
「春日灯篭」はお寺の参道沿いに設置されていて、火袋が大きく細長い形の灯篭です。
「置灯篭」は平らな石の上に設置される50cm程度の灯篭です。
「雪見灯篭」は水面を照らすために日本庭園などに設置される、重心が低めで笠が丸い3本足の灯篭です。
「墓前灯篭」とはお墓の前に置く、比較的自由な形の灯篭です。中にろうそくを設置するスペースがあり、火が消えないような扉がついていることもあります。

灯篭のお値段は3万円～10万円程度が相場といわれていますが、質の良い高級な石を使って作られたものやデザインが緻密で繊細なもの300万円以上する場合もあります。
一般的なお墓に設置する場合に人気なのは、中国産の３～５万円程度の灯篭でデザインも無難なものが多いのでオススメです。

お墓の灯篭の置き方と置けない場合

灯篭は上から宝珠、笠、火袋、受、柱、窓といわれる6つのパーツからできており、中に火をともさなくても設置するだけで火がともっているのと同じ効果があるといわれています。
灯篭を設置する場合、最低でも墓地は3～7m2の区画面積が必要になってきます。
灯篭は原則1対で設置するルールになっていますが、近年では、お墓の永代使用料が高くなったり、都心のお墓で区画の縮小化が進んだりしているため無理して2つも設置しようとせず、右側に一つだけ置いた簡略形式も増えてきています。
また、お墓の面積や費用から考えてどうしても灯篭を設置できない場合があるでしょう。そういう場合は、ろうそくの火などで代用しても構いません。
一般的にお線香のためにろうそくをつけているイメージが強いですが、実際にはろうそくも十分立派な「灯燭」の一つです。
最近では灯篭型のろうそく立ても出てきているので、お墓に灯篭を建てられないけれど、灯篭への思い入れが強いという場合にはそちらの使用も検討してみてください。

灯篭の修理と処分にかかるお値段

いくら石造りとはいえ、雨風の影響で灯篭が壊れていしまう場合もあります。
もし損傷部分が小さく自分でも修理できるようであれば、コーキング材をホームセンターなどで購入して接着するとよいでしょう。
ダメージ部分が多きく、自分で修理できない場合は石材店や専門業者に修理を依頼することになります。
修理の額は損傷の程度によって違いますが、大規模な修理となると灯篭を新しいものに取り換えてしまったほうが安く済む場合がほとんどです。
新しい灯篭と取り換える場合は、新品の灯篭の価格（3～10万円）に加えて施工費用（１万円程度）と古い灯篭の解体処分費用（数千円～2万円）がかかります。
灯篭の修理を依頼するか、処分してしまうか、新しい灯篭を買うかは、しっかりお財布と相談して決めるようにしましょう。