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カロート(納骨室)を開ける場合の手順など開け方を解説

最近よく「墓じまいをしたいからカロートを開けたい」「納骨のためにお墓の納骨室の開け方を知りたい」という相談を受けます。
たしかに、お墓のカロートの開閉作業は業者任せにしてしまう人が多く、カロートの本当の開け方を知っている人は少ないかもしれません。
そんな訳で今回の記事では、3分でわかる「お墓の納骨室(カロート)の開け方」を解説していきます!
墓石のずらし方や骨壺を取り出す際のコツなども書いているので必見ですよ!

カロートを開ける前に

お墓の納骨室のことをカロートといいます。カロートを私たちの手で開けることは法的、宗教的に一切問題ありません。
むしろ、カロート内部は湿気がたまりやすく、定期的に清掃してあげる必要があるので年に1回くらいはカロートを開き、中を丁寧に手入れしてあげることをオススメします。
まずカロートを開ける前の心構えとして注意しなければならない点が2つあります。
一つ目は「必ず複数人で作業する」ということ。カロートを挙げる作業は、重い墓石により思わぬけがを起こす危険がありますし、何より古いお墓になると納骨室の中に得体のしれない遺骨が入っていたり、入っているはずの遺骨が入っていなかったりということが良くあります。
あらぬ疑いをかけられないためにも必ず2人以上で作業することをオススメします。
二つ目は「神聖な気持ちで開閉作業を行う」ということです。お墓のカロートはあの世の入り口にあたる部分です。
僧侶に読経をしてもらいながら開けるのが基本ですが、お坊さんを呼んでいる暇がない場合は作業する直前に線香を焚き、花を手向けたうえで、手を合わせご先祖様に「納骨室を開かせていただきます」と一言伝えることが大切です。

関東式・関西式の違い

カロートには2つのタイプのカロートが存在します。
地上に存在するタイプの「地上カロート」と、地下に存在するタイプの「地下カロート」です。
現代の主流は地下カロートで、お墓の下に大きな穴を掘ってコンクリートを流し込み、遺骨を収納する空間を作り、拝石や花立香焚でフタをします。
これに対して、地上カロートは、墓石の下と地面との間に御影石製の箱を設け、ここに遺骨を納めた後、観音開きを閉めることでカロートを閉じます。
地下カロートは、昔ながらの墓地と同じ外見で圧迫感がないという利点と、カロート内部が結露しやすいという弱点があります。
地上カロートは、風通しが良く結露しにくいというメリットと、お墓の高さが非常に高くなってしまうため威圧感がでてしまうというデメリットがあります。
関東には完全な地下カロートが多く見られます。これは関東地方では伝統的に遺骨をすべて骨壺に入れて納骨する伝統があり、骨壺のサイズが5~7寸と大きいため、それに対応した大きな納骨スペースが必要になるからです。
一方、関西では遺骨を分骨して納める伝統があり、骨壺の大きさも3~5寸と一回り小さいため、カロートはあまり大きくある必要が無く、関東に比べてカロートの深さがかなり浅い「半地下カロート」が多く見られます。

和型墓石の納骨室を開ける手順

まずは関東式のお墓のカロートの開け方についてお伝えします。
関東式のお墓の場合は、香炉の下にカロートが存在するので、まず香炉を手で持ちあげ、別の場所に移動させます。
次に香炉の下にある「拝石」と呼ばれる大きな石板の片方を持ち、石板を持ち上げます。石板の下に広いカロートが見えてくるはずです。
関東式のお墓の「拝石」は小さいものでも50kg近くあるため女性や高齢の方が持ち上げる場合は事故につながる危険性があります。十分気を付けてください。
場合によっては石材店や専門業者を呼んでしまうほうが良いかもしれません。

関西式のお墓のカロートの開け方は非常に楽ちんです。香炉もしくは花台を横にスライドすると少し狭めの空間が見えるはずです。これがカロートになります。
関西では女性やお年寄りでも香炉や花台は動かせるため、業者を呼ばずにカロートを開閉する家庭が多いようです。

作業のポイントとしては、関東式・関西式を問わず墓石を傷つけないように慎重に行うこと。
場合によっては下にタオルや布を敷いておくと墓石を動かしたときに傷つけなくて済みます。
また、関東式の墓地で拝石が重すぎて開かなかったり、接着剤で強固に接着されていて開けなかったりする場合は拝石と地上の隙間にバールを入れて、てこの原理で一気に動かすことも検討してみてください。

骨壺をカロートから取り出す

墓石をずらして、カロートが見えてきたら「骨壺の取り出し」を行っていきましょう。
カロート内部は非常に汚いので、汚れてもいい服装で作業をしましょう。
関東式の場合は、カロートが非常に深いのでお風呂に入る要領で腰ぐらいの深さまでカロートに体を入れ、中にある骨壺を取り出していきます。
関西式の場合は、カロートが浅いので入り口から手を入れて骨壺を直接取り出していきます。どちらの場合も骨壺は大変壊れやすいので丁寧に扱ってあげましょう。
骨壺を取り出すことができたら、骨壺の水抜きを行います。先ほども述べましたが、カロート内部は通気性が非常に悪いので結露しやすく、骨壺には水が溜まります。
水抜きをしておかないと、水分に寄せられてカビやナメクジ、ミミズが発生してしまいますからカロートを開けた際の骨壺の水抜きは必須と考えてください。
方法は簡単で、骨壺を少し傾けてあげると白濁した水がチョロチョロと流れてくるので、全て流し切って数時間の間天日干ししてあげてください。
年に1度この作業をすることでお墓を清潔なまま持続させることが可能です。

カロートを積極的にお手入れしよう

いかがでしたか?「開けてみたらカビだらけだった」とか「開けてみたら散骨した形跡があった」などカロートは開けてみるまでどのような状態かわかりません。
だからこそ何十年も開けていない場合は、お手入れをして、問題がある場合は早急に対策を講じてあげることが大切になります。
今回の記事が、「カロート」についての知識を深めるきっかけとなることができれば幸いです。

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