墓じまいには相場というものがありませんが、ある程度調べてから墓じまいを行うのと、何も調べずに墓じまいを行うのとでは、費用の面でも違いが出てくる可能性があります。
墓じまいを行う業者や寺院・霊園が提示する費用をそのまま支払ってしまうと、思った以上に費用がかかってしまう可能性があります。
お墓の撤去にかかる費用
お墓の撤去は石材店にお願いします。
撤去にかかる費用は墓地が建てられている場所の立地や、お墓の近くまで作業車が入ることができるかなど、いろいろな条件によって異なってきます。作業車が入れないと人海戦術となってしまうため、費用が高くなってしまいます。
しかし提、先程も述べたように墓じまいには相場がありません。業者側が提示してくる費用が高い、怪しいと感じたときは即決せずに複数の石材店に見積もりを出してもらい、自分たちで熟考してから信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
見積書の確認
見積書を出してもらったときには、以下の項目が含まれているか確認しましょう。疑問に思う点があったら必ず質問して納得した上で契約するようにしましょう。
・墓石撤去費用
・基礎撤去費用
・作業人数
・墓石処分費用
・重機を使用するのであれば、その費用
その他、立地条件や都道府県などによって必要となる経費が異なってくることがあります。わずかですが、中には悪徳業者が紛れていることもあります。追加料金はないか、見積書にはないことをされていないかなど、気持ち良く墓じまいを行うためにも徹底的に確認するようにしましょう。
魂抜き・閉眼供養にかかる費用
墓石に魂を入れるための供養を「開眼供養」と言いうのに対し、墓石に入っている魂を抜くことを「閉眼供養」と言います。墓石から魂を抜いた墓石は普通の石になるので撤去することができるようになります。
閉眼供養は身内のみで行います。線香・お花・ろうそくを備え、僧侶にお経をあげてもらいます。供養が行われた後に、石材店によって墓石の中のご遺骨を取り出してもらいます。
墓石撤去以外にかかる費用
閉眼供養では、僧侶へのお礼としてお布施を支払います。
寺院墓地の場合 20,000円 ~ 150,000円 (閉眼供養のお布施・その他の謝礼)
公営墓地や霊園墓地の場合 20,000円 ~ 50,000円
地域、宗教や宗派、場所によって金額の差が出ることがあるので、事前に身内の方に相談して金額を決めるようにしましょう。
また、寺院の場合は、檀家を離脱することになりますので、ご先祖を供養してもらったお礼として、お布施以外にプラスすることがあります。
よく耳にする「離檀料」は、寺院に対する感謝の気持ちを表す金額だとされています。
僧侶からは求められることはありません。
改葬手続きにかかる費用
「改葬」とは、閉眼供養後に取り出した遺骨を別の寺院・霊園に納めることをいいます。改葬先でも同じ墓石を使用する場合、運搬費用が必要です。移動する距離や墓石の大きさによっても異なり、場合によっては新しく墓石を建てるよりも高くついてしまうことがあります。
改葬先が納骨堂の場合、墓石を建てることはありませんので一般的な改葬に比べ、改葬費用は安くなります。
改葬を行うには「改葬手続き」が必要となり、手続きに費用がかかりますので注意が必要です。
これまでの墓地でかかる費用(手続き)
・埋葬証明書発行手数料 … 1通あたり400円 ~ 1,500円(※証明書は遺骨1体につき1通必要となります)
新しい墓地でかかる費用(手続き)
・納骨費用 … 1体あたり約3万円